まとめ
新卒の若い社員が意識して考える習慣が定着する方法に関してはいくつか方法があります。 まず意外なことに、根本的な解決策としてはマニュアルと研修を充実させることです。マニュアル通り=考えないという印象がありますが実は間違いです。脳科学的には、マニュアルを与えられると、認知的な負荷が下がるのでその分考える余裕が出てきます。
しかし、一方でマニュアルを与えられても考えられない社員がいるのも事実です。実は、そもそも考えられない社員を雇っていることが原因です。従ってもう一つの解決策は面接で有能な人材を発掘するための科学的な手法を活用することです。
改善策としては、個人知能ではなくチームとしての知能が機能するように働きかけることです。そうすることで、たまたま自主性を持って生まれた才能に依存しなくともチームで仕組み化することができれば楽になります。そのためにはリーダーは部下教育(ファシリテーション)スキルを伸ばす必要があります。リーダーのファシリテーションスキルを伸ばしたい場合はこちらの研修をチェック!
考えて動く社員かどうかはIQと性格特性で8割がた判断できる
まずは根本的な解決策から解説します。
100年の研究とデータにより、従業員の生産性や業績が面接の時点で8割がた予想ができることが分かっています。まだ浸透していませんが、IQと性格特性の組み合わせによるテストが他のどんな面接方法よりも予測効果が高いです。一般的な面接のイメージとしては、学歴や経歴を尋ねる面談などですが、この効果はベストな方法には遠く及びません。
どうしても即戦力、有能で能力が高い従業員を雇いたいのであれば科学的な根拠に基づいた方法で適性検査をして、数字で判断してしまうことの方がでたらめに数を集めるよりもはるかに効果が高いです。 科学的な根拠に基づいた面接手法はリーダー外注で行っているのでご検討を!
背景知識がなければ、そもそも考えようがないのでマニュアルと研修は必須
もう一つの根本的な解決策としては、まずマニュアルとOJTがしっかりと構造化されているかどうかです。もしこのあたりが不十分であれば毎回車輪の再発明をしなければならないため、従業員たちの無駄足が増えることになります。
しっかりと情報を共有し、最適化させた上でマニュアル化させてしまうことが重要となります。マニュアルの作成は確かにとても大変ですが、一度作ってしまえば細かい修正を加えるだけでほぼ永久に使い続けられます。マニュアルの作成に関してはリーダー外注で行っているのでご検討を!
集合的知性は、IQの平均値以上の効果を発揮する
続いては、現状を改善することで対策を練る方法を解説します。
一つは、一人で考えるよりも集団で考えさせる習慣と成功体験を増やすことです。集合的知性に関する研究も数多くなされており、活用しないのは大きな損失になっていることは間違いありません。
実際、IQの高い集団の平均IQよりも、適切な方法で集団の知性を活用しながら問題を解決することの方が効果は5倍以上の効果があることが分かっています。
もちろん、一番の理想は「高いIQの集団」&「集団として知性を活用できている」二つの組み合わせですが、どちらか一方しか選べない場合は後者を選んだ方がまだマシであると言えます。集合的な知性を高める方法に関しては、リーダー研修で実際に行うのでこちらからご確認ください。
集合的知性は、アイデア出しには向いているが、価値観や答えが決まっていることには向いていない
集合的知性は万能ではありません。得意なことと不得意なことがはっきりと分かれています。
得意なこととしては以下の通りです。
解決の糸口となるアイデアを出す
利害の不一致を解消すること(合意点の形成)
タスクの任命と実行
反対に苦手なことは以下の通りです。
すでに答えが決まっていること。専門家に聞けば済む話。
価値観や倫理観など答えのない問題。トロッコ問題を議論するのは良いが、どんなに頑張ってもせいぜい両論併記が関の山
このことから、マニュアルやOJTを構造化してしまうことで答えが決まっていることを毎回探す手間が省けます。答えが決まっていることに集合的な知性を活用するのはただ時間がもったいないだけです。
リーダーにファシリテーションスキルがあれば、3ヶ月で考える社員に変えられます。
そもそもどうやれば集合的な知性を育むことができるのでしょうか?
一番おすすめなのが、リーダーがファシリテーションスキルを高めてチームの発言やアイデアの誘発を促すことです。ファシリテーションスキルはすでに構造化されており、スキルとして学ぶことで再現できます。一番おすすめなのがデルファイ法なので、以下の通りまとめました。
デルファイ法の場合
議題を共有する
質問文は用意しておく
一人で考える時間を5分用意する
その後、ペアで意見交換してもらう
その後、代表を決めて意見を発表してもらう
リーダーがそれぞれの意見をまとめ直す
まとめた内容を元に、1に戻る
これを3〜4回繰り返す
これを3ヶ月もすると、メンバーは自分たちで意見を考え、ディスカッションをした上でさらに意見を考えるという思考パターンが身につきます。この作業はオンラインクラウド上で行うとさらに効率が5倍ほど上がるので非常におすすめです。
私もこの方法でメンバーと意見交換をしていますが、タイムパフォーマンスが大幅に向上しました。実際にこの方法でミーティングをしてみたい場合はリーダー外注でしか行っていませんのでご注意を!
一生懸命に取り組むことでアセチルコリンが神経にフラグを立てる
最後に、人が学習する際に何が脳の中で起きるのかを解説します。
人は新しいスキル、知識、経験をしている時に特に集中している場合、活性化された脳の神経にフラグが立つことが分かっています。つまり、「ここが重要かもしれない!印を残しておこう!」となるわけです。このフラグを立てる際、アセチルコリンと呼ばれるホルモンが神経に付着します。
そして、寝た後にフラグが立っているエリアで何度も神経の伝達が再現されることも分かっています。その速度は昼間の20倍という速さで行われ、しかも逆の方向にも信号のやりとりが行われるという徹底ぶりで神経の発達が促されます。
昼間は重要な神経にフラグを立てる、夜にフラグを回収して神経を工事をする、という現象が毎日行われているわけですね。これを行うことで脳の神経は必要に応じて変化するわけですから、まずはリーダーがファシリテーションスキルを学習して、活用することで部下たちはそこから学ぶというサイクルを回せるようになります。
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