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有害社員が結託してしまうグループ・シンク「集団浅慮」のメカニズムを脳科学業績コンサルタントが解説

更新日:2023年3月13日

理想と理念を実現するために立ち上げたグループがいつの間にか暴走して手がつけられなくなった。


この状況を目撃した場合、学術的にそれはグループ・シンク「集団浅慮」と呼ばれる現象である。今回は、集団浅慮のメカニズムと心理的な要因を併せて二枚の表で解説する。


こちらの表から見て分かる通り、6ステージ存在しており各ステージごとに行動が違う。

  1. 自分達の力を過信し、我々が失敗するはずがないという楽観的な見方が強まる。

  2. 決定を正当化し、都合の良い情報だけに頼って異論を排除し、外部からの批判にも耳を貸さなくなる。

  3. 強い同調圧力が生まれ、批判的な発言や集団のまとまりに水を刺すような発言は封じられる。

  4. 自己検閲的行動が生まれ、意義や異論を自ら抑制してしまう

  5. 全員一致の幻想が生まれ、誰もがその考えに同調しているように思えてくる

  6. 集団決定やまとまりを維持しようとする中で、好ましくない情報から集団を守ろうとする「お目付役(マインド・ガード)」が出てくる。

 このようにステージの変化を見ていくと、初めは改善の余地があったのが徐々に洗脳されて、ついにカルト化している印象だ。世代的にオウム真理教やイスラム国などを想起する。


集団浅慮の問題点として以下の通りだ。

  • 多様性からくるアイデア出しが無くなる。代わりに、多様性を排除し極端に尖った思想だけが残る。

  • 対話の減少により利害不一致の努力が無くなる。代わりに、排除と検閲で疑念や違和感を包み隠す

  • 適切な行動計画と実行が出来ず、公益性の高い行動が取れなくなる。代わりに反社会的な行動が増える。

 集合知の重要性が過去の記事に解説してる。内容としては、集団の平均IQの高さよりも、集合的知性の高さの方が生産性と相関することをデータで解説している。


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先ほどのグラフでは、行動の変化を追っていった。次のグラフはその心理的な背景を解説する。

こちらは心理的な要因をそれぞれステージごとに当てはめると以下の通りである。

  1. チームエフィカシーの向上、リスクテイクあるいはリスク回避に極化

  2. 利害不一致の解消、両論併記、査読、立証責任、反証責任などを全て拒否する

  3. 主張と人格の同一化が始まる、課題克服の拒否

  4. 認知的不況の解消がネガティブに作用する

  5. メタ認知機能の低下し、過度の一般化を行う

  6. 異物排除の免疫が過剰活動、先制攻撃は正当防衛扱い、粛清や民族浄化の正当化

多くの用語の解説は動画内でおこなっているので、2倍速などでご覧いただければと思う。



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Q1 チームエフィカシーが高まると、必ず後に悪いことが起きる。これは正しいか? はい いいえ


Q2 チームエフィカシーを高めたあとは、どのような行動をとることが適切か?意見を整えた上でディスカッションせよ



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