まとめ
コンサルテーションやカウンセリングのための本は数多くあるにも関わらず、多くの人にそのスキルが定着しないのはナゼでしょうか?答えは簡単で、ある程度は才能に依存した技術だからです。誰でもある程度のところまではスキルを高められますが、上位3%の能力者となると地頭の良さや才能のマッチが大きな差を生みます。
特に三つのスキルを持っているかどうかでも差は大きく変わります。そのスキルとは、a) 文章を明確化させられるかどうか、b) 様々な内容をピラミッド構造に再構成出来るかどうか、c)相手に合わせて話の切り口や質問を工夫できるかどうか、の三つになります。
この三つを兼ね備えたリーダーを育てたい場合はリーダー研修がおすすめです。
曖昧な思考を言語化する
コンサルテーションで必要になる技術の一つが、相手が抱えている悩みや課題を明確に言語化する能力です。クライアントは自分の問題や課題を上手に説明できないことがほとんどですが、コンサルタントは深い背景知識を持っているので相手の言いたいことが大体把握できます。
その上で、似通った問題をしっかり区別して言語化することができるのでどれだけの背景知識や専門知識があるかでここの言語化のプロセスの仕上がりは大きく変わってしまいます。
他にも関連するスキルはあります。まとめると以下の通りです。
解釈が複数ある大きな言葉を使わない
指示語をなるべく使わない
5W1Hを使う
一文一義を守る
修飾語と被修飾語の関係を明確にしている
とにかく、文章は短く箇条書きにすることが重要です。もし長文にしてしまうと、いくつもの課題や問題がまるで複雑に折り重なっている迷宮のような悩みに思えてどこから手をつければ良いのかが分からず、一気にモチベーションが下がります。
そこで、個別撃破ができるように細かい論点に細分化させます。一個一個を選択と集中でゲーミフィケーション化させられるようになり、自分の進歩が見えてきます。また展望も見えるようになるので、高いモチベーションをキープした状態で挑戦し続けられるようになります。
内容をピラミッド構造化する
続いて重要となるスキルは、話を聴きながら頭の中でピラミッド構造化して関連性を作る作業です。これは専門知識があった方がイメージしやすくなりますが、なければたくましい想像力でカバーする他ありません。
想像力とは言っても、実際は短期的な視覚記憶力のことです。視覚的ワーキングメモリがよく発達していれば、ある程度は頭の中で思い描きながらピラミッドを回転させたり裏から見てみるというようなことができます。
ただ、ここは才能に依存した分野でもあるのでできる人であれば相当有利に話の交渉や傾聴ができるようにはなります。
このピラミッドストラクチャーに作り替える技術を習得していると、ディベート、科学的な検証、コンサルテーション、ミーティングなど幅広い分野で活用できるのである程度は慣れておくのは損はありません。
相手に合わせた傾聴と質問をする
最後に必要となるスキルは、傾聴と質問スキルです。ここもやはりある程度の専門知識があるとどんな質問をすべきかがわかるので、専門性にあったコンサルテーションができていることが重要です。
例えば、もしメンタルの問題でカウンセリングをする場合、パーソナリティ障害や精神疾患の診断基準を一通り知っておく必要があります。でなければデタラメな質問で間違った結論を下すことになります。しかし、診断基準が分かっていればそれを満たしているかどうかを順番に聞けばいいので随分手間が省けます。
また、相手によって抱えている悩みは違うので、どこから確認すべきかも変わってきます。
相手にとって「検討すべき論点」を明らかにする
コミュニケーションの目的とテーマを毎回決めている
相手の認識、反応、関心を事前に想定しておく、あるいは聞いておく
このあたりも重要なので押さえておきたいところです。
三つの能力のまとめ
カウンセリングやコンサルテーションで必要となる能力をまとめると以下の通りです。
専門分野に関しては、豊富な専門知識を持っているのでどこから確認すべきか分かる
脳内で話を聴きながら相関図をイメージできるだけの視覚的な短期記憶力がある
専門知識を活用しながらカウンセリングや傾聴のスキルを実行できる
もしリーダーたちがスタッフのモチベーションマネジメントスキルを習得させたいのであれば、必要最低限のカウンセリングスキルと傾聴スキルは身につけておく必要があります。リーダー研修では、目標管理やモチベーションマネジメントのスキル習得におすすめです。
Comments