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あなたの部下が感情論を持ち出すのは正しい判断ができていないから?合理性と感情論を脳科学業績コンサルタントが解説

更新日:2023年4月1日


まとめ

人情と合理性は場合によっては衝突することがあります。これは、脳の機能の違いや遺伝的な性格の違いからきているため、誰が悪いという訳ではありません。人の性格の違いから対立が生まれることがあれば、一人の人間の中で葛藤が生まれることもあります。


経営者目線から見れば、勤勉で協調性の高い人は低賃金で言われた通りのことをしてくれる夢のような人材であると言えますが、悪く言えば搾取でもあります。十分な話し合いと合意点の形成が重要な要素です。自分の性格特性を知りたい場合は、個別コンサルティングがおすすめです。



感情論VS合理性

会社で意見が対立することは度々あるかと思います。スタートアップだと尚更「NO」と言われることの連続なので、初めのうちは驚くこともあるでしょう。ターゲットは誰か、マーケティングはどうするか、資本はどこに配分するかなど様々な議論が行われます。


しかし、それとは感触が違う対立も存在します。それが「価値観の対立」です。


価値観の対立に関しては答えがないので非常に難航する傾向にあり、決着がつかないことがほとんどです。例えば、人情や感情に価値観をおいている人もいれば、合理性や生産性に価値観をおいている人もいます。



人間の価値観は5つの性格の組み合わせで説明がつく

実は、人の価値観や物の感じ方は性格特性である程度は予想ができることは数多くの研究で分かっています。自由を求める気質が強いのか、保守的な気質が強いのか、協調性を求めるのかなどは元々持っている性格特性の影響を受けます。


また性格は親から50%は遺伝する訳ですから、親の持っている価値観に子供はある程度似てくるとも言えます。しかも、年齢を重ねれば重ねるほど才能、性格や知性も似ることが分かっています。


では、人情と合理性とでは一体どういう性格の違いがあるのでしょうか?



合理性を優先する人の性格とは

合理性を優先する人の性格特性とは以下の通りです。


  • 勤勉性が高い

  • 目標を設定して勤勉に達成し続けることを好む

  • 衝動的な決断を下さないので、長期的な計画を立てられる

  • コツコツと継続し粘り強く達成するまで頑張れる

  • 自分の目的達成能力を高く評価しているので自己効能感は高い



こういう人の特徴は、収入と学歴が高い傾向にあることが分かっているのであるに越したことはありません。逆にこれらが低いと、衝動的な意思決定が目立ち、短期的な欲求を満たすことが増える傾向にあります。


仕事をする上では持ち合わせていると非常に得となる性格特性で、キャリアの成功と強く相関することが分かっています。新しい人を雇用する場合は、どんな仕事であっても、性別や年齢関係なくこの「勤勉性」が高い人を雇うようにしましょう。



人情を優先する人の感情とは

人情を大切にする人というのは、「協調性」が高い人のことをいいます。


協調性が高い人の特徴としては以下の通りです。


  • 人に対して献身的に尽くすことで喜びを感じる

  • 子供や弱者へのケアをすることに喜びを感じる

  • 相手の痛みに共感をしたり、理解を示すことが多い

  • 相手を無条件に信じて相手のためになることをする


こういう人は、他人の痛みにもある程度は強く共感するのでケアをしてあげたいと思う傾向にあります。もしお金を稼ぐチャンスと、人を助けるチャンスのどちらかがあれば迷わず人を助ける方を選びます。


経営者の目線から見たときに従業員として一番理想的なのは、「勤勉性」と「協調性」の両方が高い人です。どんな仕事も黙々と勤勉に取り組んでくれるだけでなく、低賃金でも文句一つ言わずに上司のいうことを信じてコツコツがんばります。


悪く言えば最も搾取されやすい性格特性の組み合わせであると言えるので、昇給のための交渉ができるようになるためのコミュニケーションを学ぶ必要がある人物像です。


また、協調性が高い人ほど収入が低いことも分かっています。キャリアをのぼる、賃金の交渉をする、対立や競争に勝ち残ることが苦手であるということが一番の原因です。



人情と合理性の対立と収入の関係性

もし一方が勤勉性が高く、もう一方は協調性が高い人だとしたらどんな対立が生まれるでしょうか?


勤勉性の高い人からすれば、達成動機が強く目標を次々とこなすことに喜びを感じるわけですから、それとは違った行動をとっている人を見るとイライラすることがあります。そのため、ダラダラしている人、目的とは関係がないことをしている人を見かけると違和感を覚えたり、モヤっとした気持ちになります。


協調性の高い人からすれば、他人に貢献をしたり他人の痛みを取り除くことに喜びを感じるわけですから、それとは違った行動をとっている人を見るとモヤモヤします。そのため、デリカシーのない人や目の前で困っている人に対して無関心でいる人を見かけると違和感を覚えたり、モヤっとします。


基本的にこの二つはお互いに対立する性格という訳ではないので、日常を過ごす分に特に問題になりません。ゴールを共有し、それぞれの得意分野でチームに貢献することができればそれで問題ありません。


しかし、万が一にも「合理性か人情か」のどちらかを突きつけられる場面があれば、お互いの価値観の衝突もありえます。


価値観の衝突は一人の人間の中でも発生することがあります。勤勉性が高く、なおかつ協調性も高いと本人は「人情か合理性か」の葛藤に苦しむことになります。苦しい選択を迫られる場面というのは、本人のもつ性格特性の相性によっても場面が異なります。



価値観の衝突の脳科学

価値観が衝突する理由は脳科学的にどのように説明がつけられるでしょうか?


協調性が高い人は、島皮質の活動が高いことが分かっています。ここは痛みを感じたり他人の痛みを追体験する脳のエリアです。精神的な痛み、肉体的な痛みなど様々ありますが、弱者が困っている場面を見かけるとその苦悩を追体験するのでなんとか苦しみから解放してやりたいと感じます。


痛みを取り除くという強いモチベーションが行動原理にあるので、自分の痛みも他人の痛みも取り除くことを優先します。そのため、痛みに共感できていない人を見かけると「信じられない!」と感じやすいです。


勤勉性の高い人でなおかつ協調性が低い人であれば、痛みに共感はしないので相手の苦痛を取り除くというモチベーションは存在しません。かといって、相手に苦痛を与えたいというサディスティックなモチベーションもないので、基本的に他人の痛みには関心を持ちません。


そういう意味では、警察官や外科医などは痛みに同調しない人の方が有利であると言えます。同調してしまうと、手術をするたびに毎回患者の痛みを追体験してしまうので真っ先にバーンアウトを起こします。


協調性が高い人と勤勉性の高い人とでは、モチベーションの源泉が全く別なのでそれぞれどういう行動を選択するかも大きくことなります。


一方が他人の苦痛を取り除くことを優先し、他方は目標を地道に達成し続ける行動を取り続けます。


もし自分の性格特性を判断し自分のキャリアを設計したい場合は、個別コンサルティングがおすすめです。




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