イーロンマスクは毎日16時間ほど働く恐ろしくタフで勤勉で生産性の高い人間である。経営がうまくいっている社長や経営者によく見られる特徴としては以下のものがある。
恐ろしく勤勉で、誰も真似できないほど長時間働き続けられる。体が弱い人はまずついていけない。
サイコパスでは無いかと疑うほど恐れ知らず。その鋼のメンタルゆえ、どんな状況にも怖気付かない。
すば抜けてIQが高く、一般人が数日かけて理解できる情報量を90分ほどで落とし込みすぐ活用する。
圧倒的な集中力を持っており、その長い思考の連鎖を複数同時に操れる。
外交性が非常に高いため、100万人の観衆の前であっても大胆な発言をすることができる。
徹底したキャリア志向であるため、競争心がとても高くどのような状況でもただ前進し続ける。
このような特徴を持っている場合は大企業の経営者としての資質を持っていることとなる。実際にこういう人と会うとまるでユニコーンにでもでくわしたような錯覚を覚える。本当にこんな化け物じみた人間がいるんだな、やはり社長になるだけの器を持っている人間だ、自分では到底真似は出来ないと、ただただ思い知らされる。
今回はそんな勤勉性の高い状態に関するメタアナリシスを紹介する。最近研究が進んできている「ワークエンゲージメント」という分野だ。かつてはワーカホリックなどという表現が使われていたが、この表現事態ネガティブなイメージがある。そのため、ワーカホリックとワークエンゲージメントの関連性を調べた研究が存在していなかった。結論から言えば、ワーカホリックは悪いことではないと言える。その証明にこちらのグラフを紹介する。
ワークエンゲージメントが高い従業員の特徴とそれぞれの相関関係を表にしたものである。
解説すると次の通りだ。
仕事満足度が高い
組織への忠誠心、参加への意欲が高い
仕事以外の役割も喜んで引き受ける、利他行動が目立つ、顧客へのサービス精神が高い
職務内の役割と責任をしっかりと全うする
仕事中毒になる(ワーカホリズム)
仕事と私生活の摩擦や干渉による悪影響が減る
退職率が減る、勤めている部門から離れたいという願いが減る
ここで興味深い点としては、ワーカホリズムがネガティブであることを否定する結果となった点である。
ワーカホリズムが悪いと考えられていた理由は以下の通りだ。
燃え尽き症候群やバーンアウトを引き起こす
私生活をめちゃくちゃにする、幸福度が下がる
作業量の多さに嫌気を差して離職率が上がる
ストレスによりギスギスして人間関係が悪くなる
ブラック企業に勤めており、パワハラによって強制労働させられている
これらはどれも科学的な根拠がないが、イメージとしてはもっともらしい気はする。しかし、メタ分析を見てみると実際は真逆の様相を呈している。
燃え尽き症候群どころか、イキイキとやりがいを持って取り組むようになった
私生活とのバランスをとりつつ、仕事の干渉があったとしてもそれによる悪影響は見当たらない
多くの作業をこなせるほどスキルと集中力とモチベーションの向上が見受けられた。本人のポテンシャル限界ギリギリまでの成長を引き出した。
ストレスはなく、むしろ職場内外の自発的な利他行動が増えた
つまり、ワーカホリズムのネガティブなイメージ予想の全てをことごとく裏切る結果となった。ポテンシャル限界まで好きで作業を行う人が増えたのだ。
ではそのポテンシャルの限界を超えた作業量を与えられた場合どうなったか?いくらやりがいを感じるとはいえ、人間である以上、限界はどこかにあるはずだ。それに関してもすでに先行研究はあり、次の発見を得られた。
作業量の限界ラインを超えた場合、そこでようやく不調やストレスを感じるようになり作業量を見直すきっかけとなることが多い。つまり、ラインを超えた途端にダムが決壊して崩壊するのではなく、自分の本当の限界のラインがこのあたりなんだなと気づく人生最初のきっかけとなる。その限界付近までなら自分はやれるぞと決意して作業に臨むようになる。この限界ラインには個人差があるが、一流の経営者などはこの限界ラインは天井知らずと思えるほど高い。
Q1 仕事中毒者はお金の亡者であるため、わがままで冷酷な人間である。これは正しいか?その理由も述べよ。
Q2 仕事中毒者は毎日限界を超えて無理をしているため、ある日急に人間性を失い廃人になる。これは正しいか?その理由も述べよ。
Q3 限界を超えていないにも関わらず仕事の作業量に不満を持っている人は、その仕事がそもそも好きではない可能性がありワークエンゲージメントは低いと考えられる。「はい」か「いいえ」の二択から最適な答えを選びなさい。
動画はこちらから
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