生産性やモチベーションを上げるため大勢の人は自分に合った工夫をしているかと思う。
レッドブルやコーヒーを飲んで元気を前借りする人、机に突っ伏して昼寝を挟む人、タバコを吸って気分転換を図る人、知り合いと談笑して元気をもらう人などいろんな方法を試しているはずである。では、意外と見過ごされがちである睡眠の質の向上方法に関してはみなさんどの程度の知識を持ち合わせているだろうか?
睡眠の質が低ければ、その日1日の行動力は駄々下がりである。頭の回転、感情のコントロール、生産性などあらゆる面においてとにかく絶不調だろう。
ではどうすればその睡眠の質を高められるのだろうか?抑うつ患者の睡眠障害に関するメタアナリシスを参考に、二枚の表にまとめた。まずは高い順からの解説に進む。
学術的な表現を柔らかく言い換えると次の通りだ。
高強度の筋トレ(無酸素運動)
病院から出されるお薬を飲み、併せてヨガや太極拳などのマインドとボディをコネクトする種類の運動
睡眠に関する重要性、リスク、コツなどの情報と併せてジョギング程度の中程度の有酸素運動
中強度の筋トレ(無酸素運動)
病院から出されるお薬を飲み、併せてサイクリングなどの高強度の有酸素運動
サイクリングなどの高強度の有酸素運動
病院から出されるお薬を飲む
まずこの順位から分かる通り、有酸素運動よりも筋トレの方が効果が高い。ムキムキのボディービルダーは大体ポジティブなイメージがあるかと思う。ドラゴンボールのサイヤ人も大概、ムキムキで自信満々だ。うつっぽさの相談に受診をするサイヤ人を見たことはないだろう。つまり、毎日ジョギングをしていても、軽い筋トレをしている人には睡眠の質では負けている可能性があるということだ。
まぁ、うつ病患者の人が果たしてどこまでサイヤ人ばりに筋トレできるのか疑問ではあるが、薬や有酸素運動よりはよっぽど効果があることは大量のデータでは一貫して示されていることは事実である。
次に低い順から見ていこう。これはこれでなかなか興味深い発見があるので是非とも見てもらいたい。
低い順から並べると以下の通りである。
適度な有酸素運動
瞑想
プラシーボ(偽薬効果、要は気のせい。にも関わらず効果は出てしまっている。)
太極拳やヨガなどマインドとボディをコネクトする種類の運動
病院から出されるお薬など
ハードな有酸素運動
病院から出されるお薬と併せて、中程度の有酸素運動
この表を見て何が分かるかというと、適度な有酸素や瞑想が偽薬効果に劣るという点ある。偽薬効果とは、比較実験をする上で偽物の薬を渡されるグループと本物の薬を渡されるグループに分けられる。この時に、偽物のお薬を渡されたグループも少なからず期待感から効果が出てしまうことはある。
「もしかしたらこのお薬で睡眠の質が上がるのかもしれない。ワクワクするなぁ。」とぬか喜びであるにも関わらず、実際には脳がドーパミンやβエンドルフィンなどを分泌することで一時的に効果がでることはある。
言ってしまえば、偽薬効果は気のせいであり、思い込みでしかない。その「思い込み」よりも効果が低いのが適度な有酸素運動や瞑想である。そういう意味では、「私は毎日ジョギングしているのになかなかポジティブになれない、睡眠の質が上がらない」と嘆いている場合、それは無理もないだろうということになる。まだ軽い筋トレをした方が2倍以上の効果がある。ハードな筋トレであれば三倍以上の効果となる。
「いいや!ハードな有酸素をしているから効果はある!」という反論も返ってくるだろう。確かに何もしないよりは効果はあるのは間違いない。ただ、「ハードな有酸素運動」の効果は「思い込みグループ」と比べて0.06ポイントほどしか差がない。労力の割に得られる結果が見合わないような気がしてならない。まだ、短時間で軽い筋トレをした方が「思い込みグループ」よりも1.5倍ほどの効果が期待できる。
Q1 睡眠の質を高めることを目的とする場合、語群を効果の高い順に並び替えよ
「軽い筋トレ 処方薬 ハードな筋トレ ハードな有酸素運動 偽薬効果 中程度の有酸素運動」
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Q2 今日から早速あなたが睡眠の質を高めるためにできることは何ですか?具体的な計画を立ててみてください。
Q3 あなたが考えた計画をパートナとシェアしましょう。違いがある場合、どんな違いがあるか聞いてみてください。
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