まとめ
会社を運営するとなると当然ですが、リーダーを含めて従業員たちは様々なストレスに晒されます。今回は代表的なストレスモデルを6種類取り上げ、それぞれの違いや特徴をスライドを使って見比べます。6ある理論は「環境」「個人」「両方」の三つのカテゴリーのどれかに分類されることが分かりました。重要な点としては以下のようにまとめられます。リーダーは適切なビジョンの共有方法を知り、研修とフィードバックを手厚くし、ある程度の権限を付与し、等級審査の透明性を高めることで従業員のモチベーションの低下とストレス上昇を予防できます。
ストレスモデル3大カテゴリー
ストレスモデルをカテゴライズすると、大きく三つに分けられます。
一つ目のカテゴリは「環境要因」です。つまり、環境に問題があると人はストレスを感じやすくなる、ということです。
二つ目のカテゴリは「遺伝要因」です。つまり、個人の性格や素質の差によってストレスの感じやすさは変わってくるということです。
三つ目のカテゴリは「遺伝と環境」です。つまり、個人の資質と環境の組み合わせによってストレスは変化するという考えです。
まずは「環境要因」から見ていきましょう。
Demand-control-support model
こちらは日本語に訳すと「要求-管理-支援モデル」となります。ただこれだけだとピンと来ないのでそれぞれ解説します。
スライドではそれぞれ「要求-管理-支援」を「負担-権限-支援」と意訳しています。スライドにある四角いボックスを見てみると、縦、横、奥行きのそれぞれに尺度がついています。
横軸の「負担」とは、要求される作業の負担のことを言います。要求度が高いということはそれだけ負担の大きな仕事であるということです。たとえば、時間的な制約がきつい、肉体的な疲労がきつい、精神的な疲労がきつい、認知的な負担がきつい、邪魔が多いなどです。
縦軸の「権限」とは、自分がコントロールできる範囲の広さのことを言います。権限が低いということはそれだけ自由度がないということです。たとえば、急な締切が多い、急な変更が多い、交渉の余地がないなどです。
奥行きの「支援」とは、職場や上司から得られる支援の多さを言います。支援が少ないことの特徴としては、研修が無い、マニュアルがない、フィードバックがないなどが挙げられます。
理想的なのが「支援が手厚い」「権限が多い」ことになります。「負担」に関しては、適度な歯応えがあった方が達成感や内的報酬は高いのであまり軽すぎても重すぎてもいけません。
もしこの三つのどこかに問題があった場合、どこを改善すれば良いのかが分かりやすくなります。
支援が少ない?⇨マニュアルビデオを渡そう、フィードバックを多めにしてあげよう
権限が少ない?⇨もう少し意見を聞いて反映させてみよう、もう少し交渉の余地を持たせよう
負担は?⇨コンフォートゾーンを抜け出す程度の適度な難易度に調整してみよう
あなたは従業員に適度な権限と支援を与えられていますか?
Effort-reward imbalance model
こちらは日本語に訳すと「努力-報酬 不均衡モデル」となります。意味としては分かりやすいのでイメージ通りの理論ですが、少々説明が必要な部分もあります。
こちらはシーソーのようなイメージで「努力」と「報酬」が釣り合っているかどうかを判断します。もしどちらか一方に傾いていると、不満が生まれてストレスに繋がります。たとえば、努力している割には報酬が少ないとなると「こんなにも働いているのに給料が少ない」「どんなに頑張っても評価されない」という後ろ向きな考えが膨らんできます。
一方で、努力に見合わないほど報酬を多くもらいすぎている場合も同様に不満に繋がります。なぜなら、内容に見合わないほどの給料をもらってしまうと人の達成感ややり甲斐などの内的報酬が下がってしまうからです。内的報酬が下がると、幸福度は下がり業績も下がります。
このモデルを使って不満を解消したい場合、見るべきポイントは次の通りです。
外的報酬と内的報酬とで、常に内的報酬が上回っている状況を作れているか?
研修を増やす、フィードバックを増やす、チームゴールを設定するなど
外的報酬は相場を大きく下回る、あるいは上回っていないか?
給料は適度にしておく
従業員の内的報酬を高める工夫ができていますか?給料を払いすぎていませんか?少なすぎませんか?
Job characteristics model
こちらは日本語に訳すと「職務特性モデル」となります。このモデルは変革的なリーダーシップなどの特徴を表しているので、とても使い勝手の良いモデルとなります。